後期高齢者医療制度の保険料



後期高齢者医療制度(長寿医療制度)が始まった以上、いくら文句を言ったり批判したところで、私たちは国の政策に従ってこの日本で生きていくしかありません。。。( ´△`)


となると、もっとも気になるのが後期高齢者医療制度における「被保険者(対象者)が負担する保険料」の事ではないでしょうか?


具体的に保険料はどれほどなのか?また保険料の地域格差はどのようになっているのでしょうか?


 対象者(被保険者)の保険料



国民健康保険などは「世帯単位の保険料」となっていますが、後期高齢者医療制度では対象者(被保険者)1人1人「個人単位の保険料」となっています。


まず、いままで国民健康保険の被保険者であった方の場合、後期高齢者医療制度へ移行するに当たって保険料が上がるのか?下がるのか?気になるところですが、以下で説明している通り、後期高齢者医療保険料は地域(都道府県)によって異なりますので一概に上がるか?下がるか?は分かりません。


厚生労働省によると、一般的に低所得者は負担が軽減され、高所得者は負担増になる、つまり全国平均で比較した場合、基礎年金(約6.5万円/月)、または平均的な厚生年金(男性の場合、約16.6万円/月)だけで生活している方は負担が軽減されると述べています。


しかし制度が始まった平成20年(2008年)6月に厚生労働省が公表した「長寿医療制度創設に伴う保険料額の変化に関する調査」によると、「世帯で保険料が減少した⇒69%」となっていますが、以下のように、低所得者層の世帯ほど保険料が上がったという厚生労働省の見解とは異なる調査結果になっています。


世帯の収入 保険料
~年金収入177万円以下 39%が上がった
年金収入177万円超~292万円未満 25%が上がった
年金収入292万円以上~ 22%が上がった


また健康保険や共済組合の被扶養者扱いとなっており、保険料負担がなかった方でも、後期高齢者医療制度の対象者(被保険者)となった方は、保険料の負担が生じるようになりました。


この点が今回の医療制度改革の最も大きな変更点で、後期高齢者、またはその世帯の保険料負担額が増加する可能性が高いため、批判、不満が続出しているのです(急激な負担増にならないように、いくつかの軽減措置が設けられていますが・・・)。


被扶養者(保険料負担なし)

後期高齢者医療制度の対象

後期高齢者医療保険料を負担しなくてはならない


そこで気になるのが、では被保険者が負担する後期高齢者医療保険料はいくらになるのか?ということです。


しかし一概に「保険料は○○円です」という事は言えません。


なぜなら、後期高齢者医療制度は各都道府県が設置する『後期高齢者医療広域連合』が保険者となり、「財政的負担能力と地域の医療費の水準」に応じて保険料の算定を行うため、お住まいの都道府県によって保険料が異なり、さらに所得に応じて保険料も異なるからです。


いままで国民健康保険ではお住まいの各市区町村によって保険料に差がありましたが、今回の後期高齢者医療制度においてはお住まいの「都道府県」によって保険料に差がでるようになったのです。


つまり同じ都道府県に住み、所得が同じであれば原則、保険料は同じという事になります。


具体的に被保険者が支払う後期高齢者医療保険料の内訳は以下の通りとなります。


・「均等割額+所得割額=後期高齢者医療保険料


~均等割額~


上記でも説明した通り、後期高齢者医療保険料は各都道府県によって異なりますので、この各都道府県(後期高齢者医療広域連合)が定めた保険料がこの『均等割額』となります。


ですのでお住まいの都道府県が同じであればこの「均等割額」の部分は原則、同じこととなりますが、同じ世帯の被保険者全員+世帯主の総所得額に応じて「7割減(特例により9割減 or 8.5割減)・5割減・2割減」の3段階(特例により4段階)に分けて均等割額が軽減される「均等割額の軽減措置」が採用されているため、同じ都道府県に住んでいても1人1人、「均等割額」が異なるようになっています。


ちなみに「均等割額の軽減措置」は、各都道府県の後期高齢者医療広域連合が自動判定を行うため、特に申請等は必要ありません。


原則、同一都道府県内では均一された保険料率(均等割額)が採用されていますが、医療の確保が著しく困難な地域など、一部の市区町村では同一都道府県内であっても別の保険料率が採用されています。


~所得割額~


所得によって「所得割額」が決まります。計算方法は以下の通りとなっています。


給与所得の場合


{給料所得(給料収入-給料所得控除)-基礎控除額(33万円)}×所得割率=所得割額


年金所得の場合


{年金所得(年金収入-公的年金控除)-基礎控除額(33万円)}×所得割率=所得割額


では「所得割率」はいくらなのか?と疑問に思いますが、この数字は地域によって異なってくるので、これまた一概には言えないのです。。


ちなみに年金収入が年額211万円以下の方(基礎控除後の総所得金額等が58万円以下の方)は、所得割額が2割軽減されます(平成30年度以降は軽減なし)。


均等割額、所得割率はお住まいの都道府県の広域連合のHPで確認することができます(厚生労働省のHPの1番下に各広域連合へのリンクがあります)。


2017年現在、後期高齢者医療制度の「年間最高保険料(割賦限度額)は57万円」となっていますので、どんなに高額所得者でも後期高齢者医療保険料は年間57万円が限度額となっています。ちなみに国民健康保険料の割賦限度額は「医療分保険料54万+介護保険料16万+後期高齢者支援金分保険料19万円=89万円」です。


下記は厚生労働省が2016年(平成28年)4月に公表した後期高齢者医療保険料です。保険料は2年ごとに見直されます。


平成28・29年度の
被保険者の均等割額・所得割率(%)・平均保険料(月額)
都道府県 均等割額 所得割率 1人当たりの平均保険料(月額)
全国平均 45,289円
(年額)
9.09% 5,659円
(月額)
67,904円
(年額)
北海道 49,809円 10.51% 5,282円
青森 40,514円 7.41% 3,197円
岩手 38,000円 7.36% 3,256円
宮城 42,480円 8.54% 4,784円
秋田 39,710円 8.07% 2,963円
山形 41,700円 8.58% 3,536円
福島 41,700円 8.19% 4,007円
茨城 39,500円 8.00% 4,510円
栃木 43,200円 8.54% 4,484円
群馬 43,600円 8.60% 4,666円
埼玉 42,070円 8.34% 6,168円
千葉 40,400円 7.93% 5,818円
東京 42,400円 9.07% 7,958円
神奈川 43,429円 8.66% 7,632円
新潟 35,300円 7.15% 3,463円
富山 43,800円 8.60% 4,857円
石川 47,520円 9.33% 5,022円
福井 43,700円 7.90% 4,497円
山梨 40,490円 7.86% 4,069円
長野 40,907円 8.30% 4,449円
岐阜 42,690円 8.55% 4,939円
静岡 39,500円 7.85% 5,175円
愛知 46,984円 9.54% 7,003円
三重 43,870円 9.06% 4,865円
滋賀 45,242円 8.94% 5,518円
京都 48,220円 9.61% 6,206円
大阪 51,649円 10.41% 6,740円
兵庫 48,297円 10.17% 6,426円
奈良 44,800円 8.92% 5,960円
和歌山 44,177円 8.93% 4,021円
鳥取 42,480円 8.07% 4,086円
島根 45,840円 9.28% 4,202円
岡山 49,200円 9.87% 5,494円
広島 44,795円 8.97% 5,597円
山口 52,390円 10.52% 5,785円
徳島 52,913円 10.98% 4,696円
香川 47,300円 9.26% 5,198円
愛媛 46,308円 9.16% 4,433円
高知 54,394円 11.42% 4,932円
福岡 56,085円 11.17% 6,376円
佐賀 51,800円 9.88% 4,683円
長崎 46,800円 8.80% 4,356円
熊本 47,900円 9.26% 4,211円
大分 48,500円 9.52% 4,489円
宮崎 48,400円 9.08% 4,000円
鹿児島 51,500円 9.97% 4,114円
沖縄 48,440円 8.80% 5,105円


 保険料の地域格差



上記の通り後期高齢者医療制度では各都道府県の『後期高齢者医療広域連合』が保険者となり保険料の算定を行うため、お住まいの都道府県、また所得によって後期高齢者医療保険料に差が出るようになっています。


例えばもっとも高い東京の1人当たりの平均保険料は「7,958円(月額)」、もっとも安い秋田の平均保険料は「2,963円(月額)」と、2倍以上の差があり、年間で計算すると、東京⇒95,496円(年額)、秋田⇒35,556円(年額)と、年間6万円以上の開きがあります。


ただ東京などの都市部は平均所得が高いために保険料も高くなるのは仕方ないかもしれません。また医療費の高い都道府県は国からの調整交付金が削減されるため保険料が高くなる傾向にあります。


では収入が年金のみの場合はどれほどの保険料になるのでしょうか?


以下は収入が基礎年金のみの方と、基礎年金+厚生年金受給者の方の都道府県別の平均的な保険料です。


平成28・29年度の
被保険者の年金種類別の保険料例(月額)
都道府県 基礎年金受給者
(年金収入78万円)
厚生年金受給者
(標準的な年金収入188万円)
全国平均
377円(月額)

4,524円(年額)


3,213円(月額)

38,556円(年額)

北海道 408円 3,600円
青森 333円 2,767円
岩手 317円 2,650円
宮城 350円 3,008円
秋田 325円 2,825円
山形 342円 2,983円
福島 342円 2,925円
茨城 325円 2,808円
栃木 358円 3,042円
群馬 358円 3,067円
埼玉 350円 2,968円
千葉 333円 2,833円
東京 350円 3,083円
神奈川 362円 3,072円
新潟 292円 2,508円
富山 358円 3,075円
石川 396円 3,341円
福井 358円 2,967円
山梨 337円 2,833円
長野 333円 2,908円
岐阜 350円 3,025円
静岡 325円 2,783円
愛知 383円 3,342円
三重 366円 3,149円
滋賀 377円 3,189円
京都 402円 3,411円
大阪 430円 3,670円
兵庫 402円 3,495円
奈良 367円 3,167円
和歌山 367円 3,142円
鳥取 350円 2,942円
島根 382円 3,263円
岡山 408円 3,483円
広島 373円 3,175円
山口 437円 3,717円
徳島 433円 3,800円
香川 392円 3,317円
愛媛 386円 3,265円
高知 450円 3,925円
福岡 467円 3,965円
佐賀 425円 3,592円
長崎 383円 3,233円
熊本 392円 3,342円
大分 400円 3,400円
宮崎 400円 3,333円
鹿児島 425円 3,592円
沖縄 404円 3,302円


上記の通り、収入が基礎年金(年金収入78万円)のみの方はかなり保険料負担は軽減されています。


ただ診療報酬の改定が2年ごとに行われる事から、後期高齢者医療保険料も2年ごとに見直されることとなっており、軽減措置が廃止されたり段階的に縮小されるため、2年ごとに保険料が上がる事が予想されています。


住む地域が違うだけでこれほど差が出てくるのはあまりにも不公平で納得できないかもしれませんが、今後は保険料だけではなく、医療、介護サービスの質も地域格差が生じることが懸念されていますので、一概に保険料が安い地域がお得とも言えないかもしれません。


後期高齢者医療保険料とは別に介護保険料も負担しなければなりませんが、本人所得(世帯所得等)と住んでいる市区町村によって介護保険料額は大きく異なります。例えば収入が基礎年金(年金収入78万円)のみの方の介護保険料額は3~5万円(年間)、収入が基礎年金に+して厚生年金も受給している方(標準的な年金収入188万円)の介護保険料額は10万円前後(年間)となっています(軽減措置額を考慮しない場合)。




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